「AIDMAモデル」って何だ?
マーケティングを少し勉強したことのある人は「AIDMAモデル」を知っていますよね。そう、マーケティングのごく初歩的なモデルです。しかし、マーケの現場ではその基本モデルを本当に活用しているだろうか?
マーケティング研究の先達が開発し、長き時間の流れに耐え、未だにマーケティング基本書に必ず顔を出すということは、マーケティング政策実践の場においても重要な価値があるはずだと思うのです。今回は、改めてその有用性を振り返ってみます。
AIDMAモデルとは、今更説明するまでもなく、
- Attention(注意)
- Interest(興味)
- Desire(欲求)
- Motive(動機)※Memoryとする場合も
- Action(行動)
という、消費者の購買に至る心理的態度の変遷を示す「顧客態度変容モデル」です。 顧客はどのような変遷を辿って購買を決定するかを理解せずに適切なマーケティング政策をうてるはずもないと思うのです。
まず、マーケターが明らかにしなければならないのは、当該商品に対して、顧客はどのような態度変容に従って購入を検討するかという命題です。基本モデルだからといって、なんでもかんでもAIDMAが適用されるわけではないのです。
例えば、缶ジュースを買うのは、
喉が乾いた > 自販機があった > 買った
というシンプルな購買パタ−ンもあるはずですよね。
逆に、もっと複雑なモデルもあるでしょう。一生の夢の買い物「庭付き一戸建て」を買うのを缶 ジュースと一緒に論じちゃいけませんよね。 まずは、どのような購買パターンがあるのかを見極め、そのなかで当社がターゲットとする顧客を定めるところが出発点になるのです。
さて、これまで商品特性、顧客特性に応じた態度変容モデルを明らかにする必要性を述べました。もうちょっと具体的に商品を挙げて解説しましょう。
缶コーヒーは、BOSSやジョージアに代表される大手ブランドがキャンペーンを打ちまくってます。聞くところによるとBOSSジャンのキャンペーンは空前のヒットだとか、、、確かに、あの一連のキャンペーンとCMの露出量で認知は飛躍的に高まりました。
しかし、缶コーヒーの場合、あまり商品の差別性ってありませんよね。どうしてもBOSSじゃないとダメなんていう人いないんじゃないかな。 要するに、缶 コーヒーという商品の購買者は関与度が低いんです。
そんな商品において、購買を決定する要因として最も大きいと思われるのは、購買時の利便性ですね。つまり、いつでもどこでも買えるということ。
自販機の台数や小売店のカバレッジが効くんです。乱暴に言ってしまえば、認知プロモーション→流通戦略で購買させることが可能なんですよ。
その際の構造を、態度変容モデルと重ねて考えると、
- TVCF > Attention
- 自販機 > Action
という2ステップでのプロモーションが可能となります。
しかし、次に出てくる問題はどうすれば自販機を増やせるかということ。これは、最近の道路事情もあわせると、なかなか無尽蔵に増やすことはできません。
結局、チャネル(地権者)への訴求が必要となるわけです。そのために企業は商品ラインを充実させ、自販機そのものの競争力を強化するのです。最近はひとつの自販機にいろんなメーカーの商品が混在しているものも目にします。最強の商品ラインを揃えたいというのがチャネルサイドのニーズなんです。
差別性の少ない清涼飲料業界、プロモーション戦略やチャネル戦略の重要性が際立っているのがわかります。
それでは、不動産のような単価が高く購買頻度の少ない商品はどうでしょう。
まず、何らかの理由で購買意欲のきっかけが最初に訪れます。それは、家族が増えたとか、貯金が貯まって頭金ができたということもあるでしょう。 あるいは、まだ将来的な目標として漠然と考え始めたというのもありです。
その時には、既に認知(Attention)をある程度終えているでしょう。 それは、TVや新聞の広告であったりするわけです。 しかし、住宅の知識を習得するたびに新たなブランドも認知していくことになり、 あのメーカーは良さそうだとか感じていくんですね。(Interst)
その知識習得活動は一般にモデルハウスの訪問ですね。まずは自分の目で確かめようとするんです。 モデルハウスへの誘引を折込チラシでターゲットエリアに配布して、誘引しようと努力します。
事実、この10年ほどで、不動産業界は折込業者にとって重要な広告主です。見事モデルハウスに誘引できたとしても、初期段階では普通住宅に関する知識不足でなかなか具体的購買には結びつきにくいはずです。 そこで営業マンが活躍します。
未だ十分な知識もなく、購買行動に移りにくい顧客をなんとか我が社の顧客としてグリップしておきたいわけです。営業マンは様々なヒアリングを通じて提案を繰り返し、顧客の購買意欲を高める努力をします。(Desire)
最終的には見積もりも出して、完成予想図等の提示で動機付け(Motive)し、Actionを促進するんですね。
マス広告(ブランド認知)
- 折込チラシ(モデルハウスの認知・誘引)
- モデルハウス(現物提示による関心向上)
- 展示場説明員(関心向上〜顧客リスト入手)
- 営業マン訪問・提案(購買動機付け)
- 見積もり、設計提示(受注)
しかし、私が以前行った調査では顧客ニーズとして明確だったのは、「営業マンと会うのはできるだけ、購買検討プロセスの後期にしたい」 という声でした。 やはり、早期に営業マンと会ってしまうと、自分にとって選択肢に制約が出るという意識があるようです。例えば、「他のメーカーに話をしづらくなってしまう」というリスクを感じるんでしょう。
そんなせめぎあいが営業マンと顧客の間で行われるわけです。しかし、インターネットの出現で完全な自由競争が行われる可能性が高くなっているんでしょうね。 そんなところにネットビジネスの可能性が広がるような気がします。
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