自分の置かれている立場を見直そう!
レポート07まででは、経営戦略とマーケティング戦略について考えてきました。経営戦略を明確にすることは、マーケティング戦略を構築する上で重要なガイドラインになることも理解できたと思います
いよいよ、マーケティング戦略そのものを構築していくステップです。ここから、みなさんの真価が問われる場面と言っても過言では無いでしょう。
「マーケティング戦略」を構築するにあたって、その原点となるのが、事業環境の把握です。マーケティングの焦点となるのはもちろん顧客ですが、ここでは、皆さんを取り巻く「社会環境」や「政治情勢」といったマクロ環境から、ライバル会社の動向、自社の経営環境まで、事実を客観的に把握する必用があります。
環境分析をする際に、便利なツールに、「3C」と呼ばれるフレームワークがあります。何が便利化と云うと、論理的思考をするにあたって欠かせない、「モレなく、ダブリなく」考えるための要素を網羅している点です。
3Cとは、「市場(Customer)」「競合(Competitor)」「自社(Company)」の其々の頭文字をとったものです。(「3C」は「3Cs」とも言います。"s"は複数形のsですね・・・。)
上の図を見ても判るように、私たちは現在の環境(マクロ環境と呼びます)の中で、市場と競合と自分自身の関係によって制約を受けています。つまり、事業環境の分析をする段階では、さらに大きな視点から、マクロ環境、業界環境を視野に入れ、さらに3Cと呼
ばれる視点でマーケティング環境を把握する必用があるわけです。
ここでもうひとつ、マクロ環境を端的に把握するのに便利なツールとして、PEST分析と呼ばれるフレームワークがあります。
このPESTも英単語の頭文字を採ったアクロニムですが:
- P:Politics(政治)外交・法規制・・・など
- E:Economics(経済)為替、利率・・・
- S:Social(社会)催事期、トレンド、ブーム・・・など
- T:Technology(技術)
を表しています。これらを抑えておけばベーシックレベルでの最低限必要なマクロ環境要素は把握できると考えておいても差し支えないでしょう。
マーケティング戦略では、「如何にして自社の製品が売れるようになるか」を考えるわけですから、環境分析における(3Cs)の考え方でいえば、自社と競合の環境を比較しながら、「競合と市場を繋ぐ線を消し、自社と市場を繋ぐ線を太くする」とも言えます。
言い換えれば、一般に言われる『人・モノ・金』の状況について、自社と競合で比較して行き、(1)の線を消し、(2)の線を太く強いものにしていくことを分析することになります。
PESTや3C分析をしている際に陥りがちな状況として、「何処に分類するのか?」で議論になることがあります。ハッキリと区分できるものであればこの様な議論も起きないと思いますが、現実の世界では必ずグレーゾーンが存在しているものです。例えば、「流通を担っている協力会社や材料を供給する協力会社はどうなのか?」などもそうですね。
この様なときには、分析の目的にもう一度立ち返ってみてください。「環境要因を網羅的に把握する」ために、PESTや3Cのフレームワークを使用しているのです。ですから、本質的には「何処に分類されるか?」ということ自体は重要度が比較的低いと考えても良いでしょう。グレーゾーンについては、自分達で明確なルールを決めておくのも一つの方法です。「お金を払ってくれる協力会社の要素はCustomer、自社がお金を払う協力会社の要素はCompanyに分類しよう」という具合でよいのです。
また、PESTや3Cといったフレームワークは、汎用てきなものです。自分達の環境を分析するために有効なフレームワークとして、応用型のモノを開発するのが最も効果的な使い方です。例えば、「流通(=Channel)を加えた4Cで分析しよう!」とか、「エンドユーザー(=Consumer)と自分達の顧客(= Customer)を分けて4Cで分析しよう!」といった具合ですね。
基本のフレームワークを、使いやすいように応用していくのが、フレームワークの本質的な使い方であるとも言えます。
それでは、どうやってこれらの中身を埋めていくのか?という疑問が最後に残ると思います。環境把握をするためには、3CおよびPESTの各項目をリストアップしなければなりません。そのために一般に用いられる手法が『ブレインストーミング』です。
この『ブレーンストーミング』、通称『ブレスト』と呼ばれる手法は、グループでディスカッションし、自由な発想で発言しあうことによって、人の発言から新たなアイディアを生み出す効果を狙った発想法のひとつです。ポイントは、「お互いの発言に否定的なことを一切言わず、思考を広げていくこと」で、皆さんも職場で経験されたことはあると思います。
『ブレスト』を用いて環境要因を抽出する際に、特に注意すべきことは、必ず「自社の戦略に対する影響度の観点から重要なものを抽出すること」です。限られた時間で効率よく環境認識をするために、だらだらと時間をかけるのではなく、ポイントを抑えた効率的ブレストを行ってください。
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